参考資料5: 日本語を第一言語とする人々によくある誤り

 

 

 

 

英語との日本語との間には表記、表現上の違いがあるにもかかわらず、日本語を第一
言語とする翻訳者の中には、英文の表記、表現をそのまま日本語に使ってしまうこと
があります。たとえば、英語では疑問文の最後にを付けますが、日本語ではほとん
どの場合、句点を付けます。また英語ではコロン(:)やセミコロン(;)を使用するこ
とがありますが、日本語では使用しません。表記の問題については、日本翻訳連盟が作
成した「JTF日本語標準スタイルガイド」をご参照ください。

 

http://www.jtf.jp/jp/style_guide/pdf/jtf_style_guide.pdf

ここではいくつかの表記に関する問題について補足します。

 

I.表記の不一致

 

JTF日本語標準スタイルガイド」によれば、原則としてカタカナの末尾の長音は
省略しない(たとえば、コンピューター、コンピュータ)とありますが、場合
によっては長音を省略することもあります。例えば、心理実験などで課題の遂行
を邪魔する刺激のことを「ディストラクタ(妨害刺激)」と言うことがあります
が、「ディストラクター」とする場合もあります。長い文章の場合、どちらを使
用したのかがあいまいになり、これらの用語が混在することがあります。「ディ
ストラクタ」も「ディストラクター」もそれぞれは正しいと言えますが、統一さ
れていなければ翻訳としては誤りとなります。

 

II.原則と例外

 

JTF日本語標準スタイルガイド」によれば、原則として句点(。)と読点(、)
を使うとありますが、お客様のご希望により、和文でも句点とカンマ(,)を使
う場合などがあります。それぞれの翻訳案件の指示に従い、作業の最後には検索
機能などを使って誤った表記が使われていないかを確認するようにしてください。

 

 

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